Giant Viruses and Viral Eukaryogenesis
Giant Viruses and Viral Eukaryogenesis
細胞核ウイルス起源説(Viral Eukaryogenesis)とは、真核細胞の「核」がウイルスの感染によりもたらされた、という仮説で、2001年にTakemuraとBellにより独立して提唱されました("Viral Eukaryogenesis"はBellによる造語です)。荒唐無稽に感じるかもしれませんが、近年これを支持する研究が報告されています。
真核細胞と原核細胞
すべての生物は細胞からできています。細胞は大きく分けて、DNAが核膜に覆われた真核細胞と、核膜に覆われていない原核細胞の二つに分けられます。我々人間の細胞は真核細胞です。
核の起源
真核細胞に核ができたことは、生物進化の歴史の中で非常に重要な出来事です。しかし、核がいつ、どのようにしてできたかはわかっていません。
ウイルス
一部のウイルスは、生物と同じく膜に覆われ、DNAをもっています。その点で、こうしたウイルスも生物の細胞と似ていると言えるかもしれません。しかしながらウイルスはリボソームを持たず、自分でタンパク質を合成できないため、生物ではないとされています。
巨大ウイルスの発見
2003年に、ミミウイルスという新しいウイルスが発見されました。このウイルスはそれまで報告されていたものよりもずっと大きく、現在では核細胞質性大型DNAウイルス(NCLDV)と呼ばれるグループに属しています。また正式には、ICTV(国際ウイルス分類委員会)において、核細胞質ウイルス門(Phylum Nucleocytoviricota)に分類されています。
巨大ウイルスの工場
巨大ウイルスの仲間には、感染した細胞の中でウイルス工場と呼ばれる構造を作るものがいます。ウイルス工場の中には、核と同じように膜に覆われているものもあり、DNAの複製が行われています。
日本の巨大ウイルス
武村研究室では2016年に日本で初めて、巨大ウイルスの仲間の分離に成功しました。その後、 動画で紹介されているメドゥーサウイルスのような新規のウイルスの分離にも成功しています。
武村研究室の研究
これらのウイルスを用いて、WET:実際の細胞とウイルスを用いた実験と、DRY:コンピュータ上でのバイオインフォマティクスやデータサイエンスを用いた実験を組み合わせ、細胞核ウイルス起源説の実証に向けた研究を行っています。また、ウイルス教育に主眼を置き、顕微鏡で「生きた状態で」見ることができる巨大ウイルス、その他の環境ウイルスを用いた生物教育に関する研究も行っています。
実験科学(分子・細胞・構造生物学)
武村研究室では、国内でサンプリングした試料からの巨大ウイルスの分離、各種顕微鏡を用いた観察、遺伝子組換えを用いたウイルスの機能の研究などを行っています。
バイオインフォマティクス
バイオインフォマティクスを用いた研究では、ウイルスやその宿主の遺伝子の情報から、ウイルスの機能や進化的な関係性を探る研究を行っています。
データサイエンス(画像解析)
位相差顕微鏡を用いて、巨大ウイルスの宿主となるアメーバのタイムラプス動画を撮影し、画像解析によって感染したアメーバの変化を定量的に比較する研究を行っています。
Giant Viruses and Viral Eukaryogenesis
細胞核ウイルス起源説(Viral Eukaryogenesis)とは、真核細胞の「核」がウイルスの感染によりもたらされた、という仮説で、2001年にTakemuraとBellにより独立して提唱されました("Viral Eukaryogenesis"はBellによる造語です)。荒唐無稽に感じるかもしれませんが、近年これを支持する研究が報告されています。
真核細胞と原核細胞
すべての生物は細胞からできています。細胞は大きく分けて、DNAが核膜に覆われた真核細胞と、核膜に覆われていない原核細胞の二つに分けられます。我々人間の細胞は真核細胞です。
核の起源
真核細胞に核ができたことは、生物進化の歴史の中で非常に重要な出来事です。しかし、核がいつ、どのようにしてできたかはわかっていません。
ウイルス
一部のウイルスは、生物と同じく膜に覆われ、DNAをもっています。その点で、こうしたウイルスも生物の細胞と似ていると言えるかもしれません。しかしながらウイルスはリボソームを持たず、自分でタンパク質を合成できないため、生物ではないとされています。
巨大ウイルスの発見
2003年に、ミミウイルスという新しいウイルスが発見されました。このウイルスはそれまで報告されていたものよりもずっと大きく、現在では核細胞質性大型DNAウイルス(NCLDV)と呼ばれるグループに属しています。また正式には、ICTV(国際ウイルス分類委員会)において、核細胞質ウイルス門(Phylum Nucleocytoviricota)に分類されています。
巨大ウイルスの工場
巨大ウイルスの仲間には、感染した細胞の中でウイルス工場と呼ばれる構造を作るものがいます。ウイルス工場の中には、核と同じように膜に覆われているものもあり、DNAの複製が行われています。
日本の巨大ウイルス
武村研究室では2016年に日本で初めて、巨大ウイルスの仲間の分離に成功しました。その後、 動画で紹介されているメドゥーサウイルスのような新規のウイルスの分離にも成功しています。
武村研究室の研究
これらのウイルスを用いて、WET:実際の細胞とウイルスを用いた実験と、DRY:コンピュータ上でのバイオインフォマティクスやデータサイエンスを用いた実験を組み合わせ、細胞核ウイルス起源説の実証に向けた研究を行っています。また、ウイルス教育に主眼を置き、顕微鏡で「生きた状態で」見ることができる巨大ウイルス、その他の環境ウイルスを用いた生物教育に関する研究も行っています。
実験科学(分子・細胞・構造生物学)
武村研究室では、国内でサンプリングした試料からの巨大ウイルスの分離、各種顕微鏡を用いた観察、遺伝子組換えを用いたウイルスの機能の研究などを行っています。
バイオインフォマティクス
バイオインフォマティクスを用いた研究では、ウイルスやその宿主の遺伝子の情報から、ウイルスの機能や進化的な関係性を探る研究を行っています。
データサイエンス(画像解析)
位相差顕微鏡を用いて、巨大ウイルスの宿主となるアメーバのタイムラプス動画を撮影し、画像解析によって感染したアメーバの変化を定量的に比較する研究を行っています。
東京理科大学武村政春研究室 © 2024 Takemura Lab. All right researved.
Takemura Lab.
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